2026年9月の例会報告

毎月、会長が報告して下さる例会報告です。

  • 日時:9月20日(日)

みんなで踊る

おもしろい作品です。なにが面白いのかはわかりませんが、読んで行く、そのものが面白いのです。いわば文体が面白い、その面白さのリズムが面白い、ということなのでしょう。さり気ない文章を「そこに置いて」なお、なおも面白いと感じさせる作品は、読後感から爽やかさを感じさせられ、…残るのです。この作品で、何がよいのか考えましたら、とてもつまらない「答え」が思いつきます。それは「みんなで踊る」、そのタイトルでした。私がいて、彼がいて、みんながいる。次から次へと顔をあわせて、それが楽しい。なんでもないことなのですが、その何でもないことが、突然現れたりすると、そりゃあ、笑うことしかありません。

皇宮調査室 二 【インペリアル・ディテクティブ2】

M資金という、おどろおどろしい言葉は何度かきいたことがあるけれど、内実のほどはまるで知りません。それが「皇宮―調査室」となると、なにやら秘密めいて、隠れた秘密みたいな組織なのかと、ハラハラしました。今号においては昭和21年までのことですが、私は昭和23年生まれなので、次号においては、昭和23年当時のことなどもあるのかと、大変期待しております。五歳前後の記憶には、かなり当時の記憶があり、貧しい農村風景を思い出されます。そんな時代における「事件」だと読むと、スリリングです。作者は若いのに、ご苦労様です。次回作品にも期待しています。

ゆりかごの唄

はじめに、あまり作者名を気に留めずに読み始め、読み終わってから作者名を見ましたら、男性名だったのでビックリしました。このようなナイーブな心持を「男」にはできないと、先入観を持って読んでいたのでしょう。素晴らしい作品でありました。こんな感じの「同棲時代」を経験はしませんでしたが、周りにはそれなりにいましたから、情況が目に浮かびます。三行だけ挿入されている「揺りかごの唄」には泣かされました。涙が次から次へと流れて止まりません。心のこもる作品に出合って、ありがたいです。しかも、男性が書かれたとは驚きでもありました。

二わおんべ

辛いことがあっても涙、嬉しいことがあっても涙、そうして頑張っているのだ、と励ましてくれる作品なのだと感じながら読みました。それにしても、ほとんど無段落で書かれている作品で、普通の小説ではないなと、感じさせられての、読みでした。タイトルの『二わおんべ』に関しては、作者自身が、読者のためにか、「結末に置いて謎解き」をして下さっています。「二わおんべ」が「これよんで」だとは、驚きました。それから、段落のない作品と言うのもめずらしいです。そのためか、小説を逸脱するようなところがあり、なんとく、奇妙な感じを味わいました。

御救珠(おすくいだま)

冒頭にある「雑味のない鈴のような音が、また鳴った」は、秀逸な導入ですね。「音は彼女を追いかけるようにして小さくなっていき、止んだ。」のです。なかなか、このような表現をすることは困難であるのに、それを自然となされているのですから、妙に、感心しました。関心はしたのですけれど、後へ、後へ、続けて読んでいくと、どんどんどん、作品の向こうに迷い込んで行くようで、はて、と考えさせられるのですが、考えても考えつきません。まあ、読者が迷うってことが、作者の望むところなのかもしれません。世の中、迷うことほど楽しいことはないのです。

夢喰らう男の独りごつ4

『夢喰らう男の独りごつ』が、この作品のタイトルですが、噛むにかみ砕くことのできない諸々なのだと、読みまして深く感じさせられました。実は、私は15歳の時に、少年自衛官の試験を受けて、競争率が16倍の少年自衛官になりました。家は貧乏でしたから、給料の9割を母親宛に毎月送金していました。でも、変な話ですが、思い出すと楽しかったです。少年工科学校は海の側で、海の向こうには城ケ島が見え、その城ケ島の上に富士山が浮かんで見えます。次号にて「無言館にかかわる出会い」のことなど、読ませて頂けとるいうことで、とても楽しみにしております。

人類と石器

毎回楽しく、また刺激を受けつつ読ませていただいております。人間って偉いと思うのですが、これ以上に偉くなったら、凡人の私たちはどうしたらよいのだろうと、不安に思うほどです。まあ、コンピーターに見放されないように頑張らなければいけないでしょう。基本は、物を大切に、友達を大切に、といったところまでなら大丈夫なのですけれど? 新しい思考の段階で、その思考についていける人間と、ついていけない人間とに「区分」されてしまわないことを祈るしかありません。人間が博愛精神をずっと持つことを望みます。人間の可能性は、きっと「進化」します。